書籍紹介

生涯成長し続けるためのマインドセット

マインドセット『やればできる』の研究
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 こんにちは、皆さん。最近、「リスキリング」っていう言葉、よく耳にしますよね。これは、職場で新しいスキルを学ぶという意味なんです。テクノロジーの急速な進化や業界の変革に対応するために、新しい能力を身につけることが求められています。40代後半から50代後半の私たちにとって、この言葉は特に重要に感じますよね。私たちの年代は経験も知識もしっかりとあるけれど、新たなスキルを学ぶことは自己成長の一部であり、現代の働き方に適応するためにも重要です。新しいことを学ぶというのは、ただ新鮮な知識を保つためだけでなく、働きながらのモチベーションを保つためにも大切。私たちだってまだまだ学び続けて成長できるんですから、それを忘れてはいけませんよね。

 自分の職場を見回してみるといろんなタイプの人がいますよね。新たなスキルをどんどん取り入れて、仕事に活用している人もいれば、これまでの経験や知識に固執している人もいる。なんでこんなに違うんだろう?新しいことにどんどんチャレンジできる人と、そうじゃない人、何が違うんだろう?自分はこれからも新しいことに挑戦し続けられるのかな、と思って『マインドセット「やればできる」の研究』っていう本を読みましたので、紹介したいと思います。

マインドセット「やればできる」の研究

この本の著者はキャロル・s・ドゥエックさんでスタンフォード大学の心理学教授の方で、モチベーション、人間関係、メンタルヘルスに関する研究で大きな業績を挙げた方だそうです。本の帯には「ビル・ゲイツも絶賛」なんて書いてありましたっけ。

 この本の話ですけど、ひと言で言うと、心の持ちようや自身の信念(マインドセット)が人生を大きく変えるっていう内容なんですよ。ただ、これだけ聞くと、ちょっと胡散臭い自己啓発本っぽい感じがするかもしれませんよね。でも、全然そうじゃないんです。ここに書かれているのは、20年以上にわたる調査でしっかりと科学的に裏付けられた人生を豊かにするアプローチなんです。

 この本では、ドゥエックさんは人々が持つマインドセットには大きく分けて2つの物があると言っています。それは、「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」です

硬直マインドセット

 このマインドセットを持つ人々は、自己能力を固定的なものと捉えています。だから、自分の才能や能力はもともと備わってるもので、それが時間が経つとか、努力するとかして大きく変わることはないと信じ込んでます。硬直マインドセットを持つ人々は、挑戦や困難から逃げる可能性が高く、失敗を恐れ、自身の能力を否定されることを避けます。これは、彼らが自分の価値を自分自身が持つ能力や物事の達成に結びつけているためです。このマインドセットが強く働くと、他人からどう評価されるかがとても気になるようになるそうです。硬直マインドセットのメリット・デメリットを考えてみました。

メリットデメリット
・自尊心が満たされる
・今持っている能力に焦点を合わせられる
・自分を変化させられない
・成長が阻害される
・回避傾向になる
・フィードバックを受け入れられない

 このマインドセットのメリットを考えるのは難しかったですね。でも、2つほどあるかなと思います。この本の一節を引用してみると

硬直マインドセットにしがみついているのには、たいていそれなりの理由がある。人生のある時点までは、それが良い意味での目標になっていたのだ。自分はどんな人間か、どんな人間になりたいか(頭の良い子とか、才能豊かな子とか)、どうすればそうなれるか(良い成績をとるなど)を示してくれていた。そして、その通りにすることで自尊心が満たされ、人からの愛情や尊敬が得られていたのである。

マインドセット「やればできる」の研究

 つまり、人生のある時期までは自尊心を満たし、自信をもって歩んでいくには有用だよねってことかなと思います。また、自分の今持っている特定の能力やスキルに自信をもって、それを追求していくことで、その分野で成功する可能性がでてくるのかなとも思います。

ただ、やはりこのマインドセットはデメリットが大きい。挑戦を回避したり、自分を変化させて、成長させていけないのは、人生を豊かにしていく上では、かなりのデメリットになっちゃうんじゃないかなと思います。

しなやかマインドセット

 このマインドセットを持つ人々は、自分の能力や才能は時間をかけて努力すれば発展し、改善すると信じています。新しいスキルを身につけることや自己改善を追求するだけでなく、挑戦や困難を経験から学ぶ機会、成長のチャンスと捉えています。しなやかマインドセットを持つ人は、失敗も成長過程の一部と受け入れ、学びのチャンスとして利用します。彼らは自己向上に真剣に取り組んでいます。では、この成長マインドセットのメリットとデメリットについて考えてみましょう。

メリットデメリット
・レジリエンスの強化
・継続的な学習
・挑戦への積極性
・自己効力感
・過度な努力
・成功への過度なプレッシャー
・誤解や乱用

 やはりこのマインドセットを持つことは、メリットが多く、人生を豊かにできるかなと思いました。成長マインドセットを持つ人は、困難や失敗を成長の機会とみなし、この状況から学び続けることができます。なので、レジリエンス(逆境に強い心)も強化されるし、積極的に挑戦することもできる。自分の能力は努力により伸ばすことができると信じているので、継続的な学習もできますよね。これらにより、自己効力感も上がっていくことでしょう。

 ただ、行き過ぎるとデメリットもでてくるかなと思っています。しなやかマインドセットが行き過ぎると、どんな困難も努力で乗り越えることができると考えてしまうのではないでしょうか?そこまでいくと、困難を乗り越えられない今の状況は努力が足りていないだけだと勘違いして、努力の方向性や環境要因(例えばブラック企業での労働)を無視して努力を続け、いずれ擦り切れて、潰れてしまうんじゃないかなと思いました。なので、メタ認知のテクニックや人に相談するなどして、自分自身を客観的に見つめる能力も合わせて持つことが必要なのではないかなと思いました。また、自分の子供や部下にあなたの状況は努力が足りていないだけだと決めつけるのも良くないなと思いました。

しなやかマインドセットを育てていくためには?

 ほとんどの人が両方のマインドセットを持ち合わせているそうです。例えば、知識に関してはしなやかマインドセットで成長させていけると信じていますが、絵とか音楽とかの芸術分野に関しては硬直マインドセットで、生まれつきの才能で決まるよねとか言ったふうに。

 マインドセットは自分で変えることができます。しなやかにも硬直にも。しなやかマインドセットに変えていくためには、前提として『人は変わることができる』という信念を持つことが大事だと思います。以前の私は、人は変われない。特に、年を取ってくると変わることができないと思っていました。最近ではある程度の努力やコツやテクニックみたいなのものが必要ですが、人は変わることができると実感しています。自分自身で色々と試した結果、そう思うことができました。この前ブログで書いたダイエットの成功もそうですし。

では、マインドセットを『しなやか』に変えていくにはどうすればいいか?この本では

  • 今日はどんなことを学んだか?
  • なにか勉強になるような失敗をしたか
  • 今日はどんなことを努力したか?

これらについて、あなたのパートナーや家族と話すといいと言っています。また、一人暮らしなら、これらについて書き出してみてもいいかもしれません。

私のおすすめの方法は、なにか新しいことを始めたときや、失敗した時に『まだ、できていないだけだ』と言うようにしています。これは私にはとても効き目がありました。これで、もう一度チャレンジしようという気持ちを呼び起こすことができます。この、『まだだけだ』がとても大切です

まとめ

 しなやかマインドセットと硬直マインドセットについて語ってきましたが、いかがだったでしょうか?私はこの本を読んで、自分自身に対しても、子供に対しても、職場の仲間に対してもそれぞれの人が持つ『可能性』を信じることがしなやかマインドセットにつながるのかなと思いました。自分もしなやかマインドセットを手に入れて、人生を豊かなものにしていきたいなと思っています。みなさんにとって、今回の話が少しでも参考になったら嬉しいです。では、また〜