これまでの記事では、「自分の肌を知ること」の大切さをお伝えし、肌タイプの解説や診断チャートを紹介してきました。
「まだチェックしていないよ」という方は、まずはこちらで自分の肌質を確認してみてください。
さて、今回のテーマはスキンケアのファーストステップ──洗顔です。
洗顔は肌の健康を保ち、トラブルや老化を予防するうえで欠かせない基本。けれど、多くのミドル男性は「石鹸でゴシゴシ洗ってさっぱりすればいい」と思っていませんか?
私自身もそうでした。「肌が突っ張るくらいが気持ちいい」と思っていたのですが、実はそれが大きな間違い。
調べていくうちに、洗顔こそが肌に最もダメージを与えやすい行為だと知ったのです。
そこで本記事では、正しい洗顔の目的から具体的な方法、そして肌タイプに合った製品の選び方まで、順を追って解説していきます。先に結論をお伝えすると、以下になります。
- 洗顔は朝晩の2回行う
- 洗顔時の水温は肌質によって変える
- さっぱりしすぎる製品を選ばない
- 製品は弱酸性のものを選ぶ
- マイルドな界面活性剤を使用している製品を選ぶ
では、詳しく見ていきましょう!
洗顔は“ただの習慣”ではなく、スキンケアの土台

洗顔は、肌を清潔に保つためのルーティンに思われがちですが、実はスキンケアのすべての基盤となる重要なステップです。正しく行えば肌を守り、間違えば逆にトラブルの引き金にもなります。
1.汚れの除去

日常生活で付着する汚れは思った以上に多く、放置すればトラブルの原因になります。
- 大気中の汚染物質や花粉
- 夜間に酸化した化粧品
- 日焼け止めや整髪料の残り
- 過剰に分泌された皮脂や古い角質
これらを落とすのが洗顔の基本的な役割です。
2.肌バリア機能のサポート

正しい洗顔は、皮膚のバリア機能を守りながら整えます。不要な汚れを落としつつも必要な潤いは残すことで、肌の自然な防御力を維持できるのです。
3.肌トラブルの予防

汚れが蓄積すると毛穴詰まりや炎症を招き、ニキビや赤み、さらには早期老化につながります。洗顔は“予防医療”の第一歩ともいえます。
4.スキンケア製品の効果を高める

肌を清潔にしておくことで、後から使う保湿剤や美容液の浸透が良くなります。逆に汚れや皮脂が残っていると、有効成分が浸透せず効果が半減してしまいます。
👉 まとめ
洗顔は、肌を若々しく保つために欠かせない「スタート地点」です。
清潔な状態を作ることで、スキンケア全体の効果を底上げする――これが洗顔の本当の役割です。
「さっぱり=良い洗顔」は大きな誤解

ミドル男性の多くは「しっかり洗えば清潔感アップ」と思いがちです。私も以前は、肌が突っ張るくらいの“さっぱり感”が好きでした。
しかし実際には、洗いすぎは肌にとって逆効果。肌を守る大切な要素まで奪ってしまうのです。
1.バリア機能の破壊

皮膚には「外部刺激から守り、水分を保つ」というバリア機能があります。
ところが洗いすぎや熱すぎるお湯は、このバリアを壊してしまい、洗浄成分が肌の奥に浸透しやすくなるため、刺激やアレルギー反応を受けやすい状態をつくります。
2.乾燥と脱水

肌のバリア機能が損なわれると、肌からの水分蒸発が加速し、乾燥を引き起こします。過度な洗浄は、必要な皮脂や天然保湿因子(NMF)まで奪ってしまい、肌の水分保持力が低下。
その結果、乾燥・カサつき・小ジワなど“老け見え”の原因になります。
3.刺激と炎症

刺激の強い洗浄成分や熱いお湯は、赤み・ヒリつき・かゆみなどの炎症を引き起こします。
敏感肌の人にとっては特にダメージが大きく、肌荒れの悪循環に陥ることも。
4.ニキビの悪化

「ニキビにはしっかり洗顔」と思い込むのも危険です。
特にニキビや脂性肌の人が毛穴の詰まりを取り除こうと過剰に角質除去をしたり、強すぎる洗顔料を使用したりすると、肌が刺激を受けて炎症を起こし、ニキビが悪化する可能性があります
5.肌のpHバランスの乱れ

健康な肌は弱酸性(pH4.5〜6)でなければうまく機能しません。
アルカリ性の強い石鹸や洗いすぎは、このバランスを崩し、肌荒れや回復力の低下を招きます。
👉 まとめ
「洗顔=ゴシゴシ落とす」ではなく、余分な汚れだけをやさしく落とすのが正解。
洗いすぎは、清潔感どころか“老け見え”を加速させてしまうリスクがあることを覚えておきましょう。軽く肌が突っ張るような感覚は、必要な皮脂まで落ちてしまっている可能性が高いサインです。
正しい洗顔こそが肌を守る第一歩

どんなに良いスキンケア製品を使っても、洗顔が間違っていればその効果は半減してしまいます。
なぜなら、汚れや皮脂が残った肌の上では、どんなに良い成分も十分に浸透できないからです。
洗顔はただ「顔をきれいにする」ためだけの行為ではありません。
その後に使う化粧水や保湿剤、美容液の土台を整える──いわばスキンケアの入り口であり、成功のカギとなるステップなのです。
ここでは、毎日の習慣としてぜひ取り入れてほしい「正しい洗顔の基本」を整理してお伝えします。
1.洗顔は朝晩2回が基本

朝の洗顔|一日のスタートを整える
夜のあいだに肌は皮脂を分泌し、枕や寝具からの微細な汚れも付着します。さらに、夜に使用した保湿剤などの化粧品が酸化してしまいます。
これをそのままにすると、ニキビや肌荒れの原因になってしまいます。
特に脂性肌やニキビ肌の人にとっては、皮膚分泌が活発で酸化しやすいため、朝の洗顔は必須。乾燥肌の人でも、ぬるま湯だけでは落ちにくい皮脂があるため、肌に優しい洗顔料で軽く洗うのがおすすめです。ただし、肌が乾燥しすぎたりする場合は、洗顔料を使用せずにぬるま湯洗顔してもいいかと思います。
「朝は水だけでいい」と言われることもありますが、実際は肌タイプによって調整するのが正解です。
夜の洗顔|一日のダメージをリセットする
日中の肌は、紫外線・大気汚染・汗・日焼け止めなど、想像以上に多くの負担を受けています。
これをきちんと落とさないと、毛穴詰まり・炎症・肌老化を引き起こしてしまいます。
特に夜の洗顔は、スキンケア全体の中でも最重要。
ここを怠ると、せっかくの保湿剤や美容液も効果を発揮できません。
強い日焼け止めを落とす際には、ダブルクレンジグが有効であるとされていますが、乾燥肌や敏感肌の人は「ダブルクレンジング」を避け、マイルドな洗浄で汚れを落とすことを意識しましょう。
ポイントは「1日2回まで」
どんなにマイルドな洗顔料でも、使いすぎれば肌への負担は避けられません。
朝と夜の2回だけ、それ以上は逆効果になると覚えておきましょう。
👉 朝は「整える」、夜は「リセットする」
この役割を意識するだけで、洗顔の質は格段に上がります。
2.水温ひとつで洗顔の質が変わる

洗顔で意外と見落とされがちなのが「水温」です。
実は温度ひとつで、洗浄力や肌へのダメージが大きく変わってしまいます。これは洗顔料に含まれる汚れを落とす成分(界面活性剤)は温度によって、その働きが変わってしまうからです。
だからこそ、自分の肌タイプに合った“適温”を知ることが大切です。じゃあ適温って何度なの?って思いませんか?書籍等には「ぬるま湯」と記載されることが多く、ぬるま湯ってどれくらいの温度?ってなりますよね。そんな方に、肌質に合わせた温度を調査しましたので、参考にしてみてください。
適温の目安|肌タイプ別ガイド
- 敏感肌:20〜32℃。やや冷たく感じる程度が安心。
- 乾燥肌:32〜34℃。手に触れて「ぬるいかな?」と感じるくらい。
- 混合肌:32〜36℃。乾燥肌に近い感覚でOK。
- 脂性肌:36〜38℃。ほんのり温かい“ぬるま湯”がベスト。
👉 共通の注意点:40℃以上はNG。バリア機能を壊し、乾燥・炎症を招くリスクがあります。
熱すぎるお湯が招くトラブル
- バリア機能が一時的に破壊される
- 洗浄成分が肌の奥に入り込みやすくなり、刺激やアレルギーを引き起こす
- 水分が急速に蒸発し、乾燥や小ジワの原因になる
「熱いシャワーで一気に流す」──ついやりがちな習慣ですが、これが老け見えの近道になってしまうのです。
冷たすぎる水の落とし穴
- 界面活性剤が十分に働かず、皮脂や汚れが残る
- 血行が悪くなり、くすみや肌のターンオーバー低下につながる
「冷水で引き締め」は気持ちいいですが、長期的には逆効果になる場合もあります。
長時間の水接触にも注意
入浴やプールなど、長時間水に浸かる行為も実は乾燥の原因になります。
肌のバリア機能が水でふやけることで、水分保持力が低下し、結果的に洗顔のあと以上に乾燥しやすい状態をつくってしまうのです。
お風呂好きの方やスイマーは、入浴・水泳後に必ず保湿をセットで行いましょう。
実践のコツ|毎日続けるために
理想の温度管理を毎回完璧にするのは正直大変ですよね。
そこで私自身は、“熱すぎず冷たすぎず”を意識する程度で続けています。毎回温度を測るの大変なので、大体の温度と手の感覚を調べたら、手の感覚を信じて温度調整しています。
こだわりたいときは温度計でチェックするのも良いですが、普段は「ぬるいかな?」と思うくらいで十分です。
👉 まとめ
水温はスキンケアにおける“隠れたキーファクター”。
適温を意識するだけで、肌への刺激を減らし、洗顔効果を最大化できます。
さらに、入浴やプール後の保湿までセットで考えることが、若々しい肌を守るポイントです。
3.洗顔後の乾かし方が“肌ダメージ”を左右する

せっかく丁寧に洗顔をしても、その後の乾かし方を間違えると、肌への刺激で台無しになってしまいます。私もついついやってしまうのですが、特にタオルで強くこすってしまうのは、多くの男性が無意識にやりがちなNG習慣です。
タオルは“押さえる”が基本
- ゴシゴシこするのは絶対にNG
- 水分を吸い取るイメージで、タオルを軽く押し当てるだけで十分
- 敏感肌の人は特に「摩擦を避ける」ことを徹底しましょう
👉 肌を擦るとバリア機能が損傷し、赤みやかゆみなどのトラブルを招きやすくなります。
清潔なタオルを使う習慣を
- タオルには雑菌が繁殖しやすいため、毎日交換が理想的
- 難しい場合は、最低でも2日に1回は新しいものを使う
- フェイスタオルの代わりに「ペーパータオル」を使うのも肌に優しく衛生的
乾燥後はすぐに保湿を
洗顔直後の肌は、水分が蒸発しやすく“乾燥スピードが最も早い状態”です。
水分を拭き取ったら、すぐに化粧水や乳液で保湿するのが理想的です。
👉 まとめ
- 「押さえる」動作で摩擦レス
- 清潔なタオルで雑菌対策
- 乾かしたらすぐに保湿
この3つを意識するだけで、肌への負担はぐっと減り、洗顔効果を長持ちさせられます。
さて、このまま続けると長くなりそうなので、今回はここまでとしましょう。次回は洗顔料の選び方から話していきたいと思います。それでは、また!
