これまでの記事では、「自分の肌を知ること」の大切さをお伝えし、肌タイプの解説や診断チャートを紹介してきました。
「まだチェックしていないよ」という方は、まずはこちらで自分の肌質を確認してみてください。
さて、今回のテーマは前回に引き続き、スキンケアのファーストステップ──洗顔です。
前回の洗顔の記事をチェックしていない方はこちらからどうぞ
洗顔は肌の健康を保ち、トラブルや老化を予防するうえで欠かせない基本。けれど、多くのミドル男性は「石鹸でゴシゴシ洗ってさっぱりすればいい」と思っていませんか?
私自身もそうでした。「肌が突っ張るくらいが気持ちいい」と思っていたのですが、実はそれが大きな間違い。
調べていくうちに、洗顔こそが肌に最もダメージを与えやすい行為だと知ったのです。
そこで本記事では、正しい洗顔の目的から具体的な方法、そして肌タイプに合った製品の選び方まで、順を追って解説していきます。先に結論をお伝えすると、以下になります。
- 洗顔は朝晩の2回行う
- 洗顔時の水温は肌質によって変える
- さっぱりしすぎる製品を選ばない
- 製品は弱酸性のものを選ぶ
- マイルドな界面活性剤を使用している製品を選ぶ
では、今回は製品の選び方から詳しく見ていきましょう!
目次
洗顔料を選ぶときの3つのチェックポイント

洗顔料には固形石鹸、泡タイプ、クリーム、ミルク、ジェル、ミセルウォーター、オイル…と実に多くの種類があります。
「結局どれを選べばいいの?」と迷うのは当然のこと。最適な製品は、肌のタイプ、個人の好み、予算によって大きく異なります。
ここでは代表的なタイプを整理し、それぞれの特徴と注意点を紹介します。
固形石鹸の魅力と落とし穴

多くのミドル世代の男性にとって、「洗顔=石鹸」というイメージは根強いかもしれません。
泡切れが良く、さっぱりした洗い上がりでコスパも抜群──そんな手軽さが魅力です。
しかし、一般的な固形石鹸は、デリケートな顔の肌には刺激が強すぎる場合があります。これは、肌の上層にある皮脂を過剰に除去し、肌のバリア機能に影響を与える可能性があるためです。バリア機能が損なわれると、肌からの水分蒸発が加速し、乾燥を引き起こしてしまいます。また、固形石鹸はアルカリ性のものも多く、肌の修復システムを乱し、乾燥・つっぱり・赤みなど、肌トラブルの原因になりやすいのです。
肌に合うのは「弱酸性石鹸」だけ
最近では弱酸性の石鹸も増えており、洗浄力がマイルドで肌への負担も比較的少なくなっています。
「どうしても石鹸を使いたい」という人は、弱酸性で保湿成分を含むタイプを選ぶと安心です。
石鹸が向いている人・向いていない人
- 向いている人:皮脂分泌が多い脂性肌の人。Tゾーンのベタつきが気になるときに“時々”使うのはアリ。
- 向いていない人:乾燥肌・敏感肌の人。使うほどに肌バリアを壊し、かゆみ・ヒリつき・粉ふきなどのリスクが高まる。
👉 まとめ
多くの肌タイプにとって、固形石鹸は「顔用には不向き」です。
“さっぱり感=良い洗顔”ではないという意識を持ち、必要に応じて弱酸性タイプを選ぶのが大人のスキンケアの正解です。
しっかり泡立つ洗顔料について

泡立ちの良さは“安心感”の裏返し
ドラッグストアでも定番の泡立つ洗顔料。
しっかり泡立つ洗顔料を使うと「しっかり汚れが落ちた!」という満足感が得やすいのが特徴です。
実際、余分な皮脂や汚れを落とす力は強く、脂性肌の人にとっては頼れる味方になります。
見落としがちなデメリット
ただし、泡立ちの良さは同時に界面活性剤が多く含まれているサインでもあります。
これが乾燥肌や敏感肌の人には刺激となり、
- つっぱり感
- 赤みやかゆみ
- バリア機能の低下
を引き起こす原因になることも少なくありません。
洗顔直後のさっぱり感の裏で、肌のつっぱりや乾燥がどんどん進行していたのです。脂性肌の方でも、敏感肌のタイプの方は使用しないほうが良いと思います。
向いている肌タイプ・避けたい肌タイプ
- 向いている人:皮脂分泌が多い脂性肌、ニキビができやすい人。
- 避けたい人:乾燥肌・敏感肌の人。刺激が強く、かえってトラブルの原因に。
👉 特に「ヒリヒリする」「洗顔後すぐに肌が突っ張る」と感じるなら、泡立つタイプは合っていない可能性が高いです。
👉 まとめ
泡立つ洗顔料は「爽快感」や「皮脂除去力」に優れていますが、全員に最適なわけではありません。
脂性肌にはメリット、乾燥・敏感肌にはデメリット──この違いを理解して、自分の肌に合うかどうかを見極めることが大切です。
泡立たないタイプの洗顔料について

泡立ちに頼らない“マイルド洗顔”
「泡立たないタイプの洗顔料」は、クリーム状やミルク状で肌になじませて使うスタイル。
泡立ちがないぶん、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、乾燥肌・敏感肌にとっては頼れる存在です。
特徴とメリット
- 摩擦レス:泡を立てる必要がなく、肌に直接なじませてやさしく落とせる
- 低刺激:洗浄成分がマイルドなものが多く、肌バリアを守りやすい
- うるおいをキープ:保湿成分を配合している製品も多く、洗い上がりにつっぱりにくい
私自身も乾燥肌寄りなので、以前は泡立ちの良い洗顔料で“さっぱり感”を追い求めていましたが、突っ張り感や赤みが気になるように…。
そこでこのタイプに変えてみたところ、洗顔後も肌が落ち着き、むしろ「必要な皮脂を残すことが大切」だと気づけました。
デメリットと注意点
もちろん万能ではありません。
- 洗い上がりが軽いので、皮脂分泌が多い人には「物足りない」と感じやすい
- メイクや強力な日焼け止めを落とす力は弱め
- きちんとすすがないと、べたつきや残留感が残ることがある
👉 脂性肌や混合肌の人が常用すると、皮脂や汚れが十分に落ちず、逆にトラブルを招く可能性があります。
向いている肌タイプ
- 乾燥肌:水分・油分を守りながら洗える
- 敏感肌:低刺激で炎症リスクを減らせる
上手に使うコツ
- 「強くこすらず、やさしくなじませる」ことを徹底する
- すすぎ残しを避けるため、ぬるま湯で時間をかけて流す
- 朝の洗顔や、乾燥の強い季節に“部分的に取り入れる”のも効果的
👉 まとめ
「泡立たない洗顔料」は、“落としすぎない”ことを重視した大人の選択肢。
乾燥や敏感に悩む人にとっては、肌を守りながら清潔にできる強い味方です。
一方で、皮脂分泌が多い人には物足りなさを感じやすいため、肌タイプに合わせた使い分けがカギとなります。
製品のpH
皆さんはpHという言葉をご存知でしょうか?pH(ピーエイチ)は、液体が「すっぱい(酸性)」か「にがい・ぬるぬる(アルカリ性)」か、「そのどちらでもない(中性)」かを、数字であらわすものさしです。数字は1〜14の数値で表されることが多く、数字が小さいほど酸性、6〜8位が中性、9〜14がアルカリ性に分類されます。
人の肌はpH4.5〜6付近の弱酸性です。人の肌は弱酸性でないとバリア機能がうまく働かなくなってしまうため、洗顔料は必ずpH5以下の製品を選ぶようにしてください。
製品のpHがわからない場合は、pH試験紙などを用いて製品のpHを確かめると良いでしょう。
成分
洗顔料を選ぶ際は、なるべくマイルドな界面活性剤を含むものがポイントです。例をいかに示すと
- ラウレス硫酸Na+コカミドプロピルベタイン
- ココイルイセチオン酸Na
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ラウロイルサルコシンNa
- デシルグルコシド
- ラウリルグルコシド
- カプリルグルコシド
- PEG-7グリセリルココエート
- ラウレス-3コハク酸Na
などの界面活性剤が使用されている洗顔料はおすすめです。
ほかにも、クレンジングミルク、ミセルウォーター、フェイシャルオイルなどがありますが、あまり使用する人がいないでしょうから、ここでは割愛します。
洗顔方法に関するNG習慣

肌タイプに関わらず、または特定の肌タイプにおいて、以下の習慣や製品は避けたほうが良いでしょう。
過剰な洗顔と頻繁な洗顔
1日に2回以上の洗顔は、どんなにマイルドな界面活性剤でも肌にダメージを与える可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。脂性肌の方でも洗いすぎると水分不足を招くことがあります。
洗い上がりに「引き締まった感じ」や「さっぱり感」、「軽く肌が突っ張ったような感覚」がある洗顔料は、必要な皮脂まで落ちている可能性が高いため、よりマイルドなものに切り替えることをおすすめします。
熱すぎるお湯や冷たすぎる水の利用
40℃以上のお湯は皮膚を乾燥させたり、刺激を与えたりする可能性があります。また、冷たすぎる水は皮膚から油分を効果的に除去できません。ぬるま湯(20〜38℃)で洗顔することがおすすめです。硬水の地域にお住いの方は、肌を乾燥させる原因となるため、注意が必要です。
顔を強く擦って乾かす
これは私もやりがちなのですが、不要な刺激を避けるため、タオルで優しく押さえるように乾かしましょう。
クレンジングツールの常用
クレンジングブラシ、パッドなどのツールは肌へのダメージが大きく、定期的に手入れしないと雑菌の温床になる可能性があるため、使用は控えたほうが良いでしょう。
スクラブ系クレンザーの常用
死んだ細胞を落とすのに効果的ですが、肌へのダメージも大きいため、常用は避け、最大でも週一回以下に留めることをおすすめします。過剰な角質除去は肌を刺激し、ニキビや肌荒れの悪化を招く可能性があります。特に乾燥肌や敏感肌は、不必要な角質除去は避けたほうが良いでしょう
洗顔シートの使用
外出先などでの緊急時を除いて、使用はやめたほうが良いでしょう。肌荒れを引き起こし、汚れや油分を肌表面に広げるだけで、十分な洗浄効果が得られないためです。
洗顔後にすぐに保湿をしない
洗顔後の肌は脱水が進みやすいため、水分を拭き取ったら速やかに保湿剤を使用しましょう
ヘアケア製品の残留
ヘアコンディショナーなど髪に残る成分は肌にとって大きな問題になることがあるため、髪を洗ったあとは必ず顔を洗って製品の残留物をすべて取り除きましょう。
以上、ちょっと長くなってしまいましたが、私も実践している洗顔方法を紹介しました。次回はおすすめの洗顔料の紹介を行いたいと思います。では、また
【参考文献】
