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ミドル世代必見!アンチエイジングのための睡眠の質向上法を徹底解説(5)|運動と食事を見直して、眠りの質を根本改善!

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前回に引き続き、「睡眠の質をどうやって高めていくか?」というテーマでお届けします。

眠れてるはずなのに、疲れが取れない。夜中に何度も目が覚める。
そんなモヤモヤを抱えていませんか?

睡眠の質は、アンチエイジングを考えるうえで避けて通れない重要ポイントです。

これまでの記事では、
「睡眠と老化の関係」
「最適な睡眠時間」
「体内時計とメラトニンの活用」
「入浴による深部体温の調整」
…といったトピックについて解説してきました。

👉まだ読んでいない方は、こちらからご覧ください → シリーズ記事一覧はこちら

今回は
「運動習慣」と「食事の見直し」から睡眠の質を整えていく方法を、科学的根拠をベースにわかりやすく紹介します。

自分の体と向き合いながら、毎日の眠りをもっと心地よくしていきましょう。

また、記事の最後に参考にした書籍を掲載しておきますので、さらに深く学びたい方はチェックしてみてください。

「運動習慣」を見直す

寝る前の運動は“ほどほど”がカギ

運動は睡眠の質に大きな影響を与える要素のひとつです。なかでも注目したいのが「深部体温の変化」。私たちの体は、深部体温が一度上昇したあとに自然と下がるタイミングで眠気を感じやすくなります。この体温変化は、適度な運動でも引き起こすことができます。

例えば、就寝90分前に軽いストレッチやヨガを行うと、副交感神経が優位になり、自然な眠気が訪れやすくなります。体の緊張がほぐれ、呼吸も深くなり、穏やかな気持ちで眠りにつけるというわけです。

一方で、寝る直前の激しい運動には注意が必要。筋トレやHIITのような高強度の運動は、交感神経を刺激してしまうため、逆に眠りを妨げてしまう可能性があります。

🧪【研究例】The effects of physical activity on sleep: a meta-analytic review.のによると、「中強度の運動は睡眠の質を有意に改善するが、就寝直前の高強度運動は入眠潜時を延長させる可能性がある」と報告されています(ref)。

つまり、運動は“いつ、どの程度の強度で行うか”がポイント。無理なく続けられる運動を、タイミングよく取り入れることが大切です。

NEATを意識して、日常に“ちょっとした運動”を

「運動は苦手」「ジムに通う時間がない」——そんな方にこそおすすめなのが、NEATの活用です。

NEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis)とは、掃除や洗濯、通勤の歩行や階段の昇り降りなど、日常生活の中で自然に行う身体活動のこと。激しい運動ではなくても、NEATを意識して生活するだけで、代謝が高まり、自律神経のバランスが整いやすくなります。

簡単にできるNEATの取り入れ方:

  • 通勤時に一駅分歩く
  • エレベーターではなく階段を使う
  • デスクワークの合間に立ち上がる回数を増やす
  • 日用品の買い物を徒歩で行く

特別な運動が続かなくても、日常にちょっとした工夫を加えることで、睡眠の質を大きく改善することができるのです。

リズム運動で、眠りの“材料”をつくる

ぐっすり眠るためには、体内の「ホルモンリズム」も重要なカギを握ります。睡眠ホルモンとして知られるメラトニンは、日中に分泌されるセロトニンを原料に作られます。

つまり、日中にセロトニンをしっかり分泌できているかどうかが、夜の眠りの深さを左右するということ。セロトニンを増やすには、「朝の光」と「リズム運動」が効果的とされています。

例えば:

  • 一定のテンポでウォーキングをする
  • 腹式呼吸を意識したヨガやストレッチ
  • サイクリングなどのリズム運動
  • ロデオボーイのような揺れのある運動

朝の習慣をちょっと見直すだけでも、夜の眠りが大きく変わる可能性がありますよ。


「食事」を見直す

ここからは「食事」と「睡眠」の関係について考えていきましょう。運動と同じく、食事も睡眠の質に大きく関わっています。

カフェインは午後2時までが安心ライン

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには、覚醒作用があります。特に気をつけたいのはその“持続時間”。

カフェインの効果は摂取後30分ほどでピークを迎えますが、体内から半分が排出されるまでには5〜7時間ほどかかると言われています。

カフェインは睡眠物質であるアデノシンを受け取る受容体に結合し、アデノシンの働きをブロックします。これにより、意識が覚醒し、眠気を感じにくくなります。

カフェインを摂取しても眠れる人はいますが、眠りが浅くなったり、カフェインに利尿作用もあるため、睡眠の質が悪化してしまいます。

健康な成人の場合、コーヒーなら1日2〜4杯までが適切な量になります。

🧪【研究例】コロラド大学の研究(2015)では、就寝の3時間前にカフェインを摂取した場合、体内時計が平均40分遅延し、明るい環境下での摂取では最大105分も遅れると報告されています(ref)。

午後2時を過ぎたら、ノンカフェインのハーブティーや白湯などに切り替えると安心です。

理想の夕食時間は「就寝4時間前」

「夕食のタイミング」は、睡眠の質を左右する大きな要因です。

就寝直前に食事をとると、体内ではすぐに消化活動が始まり、深部体温が上昇します。この深部体温の上昇は、体が覚醒状態に近づくことを意味し、スムーズな入眠を妨げてしまいます。

また、食事の後に眠気を感じるのは、血糖値が上昇したことによって「満腹ホルモン」レプチンが増加し、逆に「空腹ホルモン」グレリンが低下し、覚醒物質であるオレキシンの分泌が抑制されるためです。これは自然な生理現象なのですが、これをそのまま睡眠に結びつけるのはリスクもあります。

なぜなら、胃腸が活発に働いている状態では、体がリラックスモード(副交感神経優位)に切り替わりにくく、睡眠の後半が浅くなってしまうからです。さらに、食後すぐに横になると、逆流性食道炎のリスクも高まります。

🧪【研究例】厚生労働省の健康づくり指針でも、「就寝直前の夕食や夜食習慣も眠りを妨げるため、食習慣の見直しが必要」とされています(ref)。

理想は、就寝の4時間前に食事を終えること。難しい場合でも、最低でも3時間前までには食事を終えることを目標にしてみてください。これだけでも、睡眠の質に変化が出てくるはずです。

空腹すぎると、逆に眠れない?

「夕食抜きダイエット」は、睡眠の質を低下させるかもしれません。

空腹状態では、血糖値の低下により脳が覚醒しやすくなります。このとき、覚醒物質である「オレキシン」が分泌され、交感神経が優位になるため、逆に眠りにくくなってしまうのです。

🧪【研究例】オレキシンは1998年にテキサス大学の(櫻井武、柳澤正史ら)によって発見され、食欲と覚醒の両方に作用することがわかっています。絶食時やエネルギー不足時にその分泌が活性化されることが報告されています(ref)。

ダイエット中でも、夕食を完全に抜いてしまうのではなく、消化に優しく、血糖値を安定させる食物繊維や良質なタンパク質を適度に摂ることで、睡眠の質を保つことができます。

ちなみに、食物繊維を多く摂ると寝付きが良くなるという報告があるので、次の章で紹介する糖質とかと一緒に就寝4時間前までに摂るといいでしょう。

寝る前の糖質摂取は逆効果?それとも有効?

意外に思うかもしれませんが、寝る前の「高GI食品」は睡眠の質を高める可能性があります。

糖質を摂ると、血糖値が一時的に上がり、インスリンの働きによってトリプトファンが脳内に取り込まれやすくなります。これが、セロトニン→メラトニンへと変換される睡眠ホルモンの生成につながるのです。

🧪【研究例1】オーストラリアの研究(2007)では、運動後に高GI食品を摂取した群が、低GI食品群と比べて入眠までの時間が20分短縮し、総睡眠時間と睡眠効率も有意に改善されたと報告されています(ref)。
🧪【研究例2】金沢医科大学の疫学研究(2014)では、日本人1,848人(20〜60歳)を対象に「主食の種類と睡眠の質」の関連を調査。高GI値の白米をよく食べる人ほど、睡眠の質が高い傾向があることが示されました(ref)。

とはいえ、糖質の摂りすぎは肥満や血糖コントロールの問題につながりますので、「就寝4時間前までに白米やうどんなどを適量摂る」といったバランスが大切です。

寝酒はNG。飲酒は「夕食まで」にしておこう

「寝酒は眠りを促す」と思われがちですが、実はその逆です。

アルコールは中枢神経に作用し、初期の眠気を誘導しますが、その後は交感神経を刺激し、睡眠の後半を浅くします。また、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドには覚醒作用があり、中途覚醒を引き起こしやすくなります。

🧪【研究例】米国睡眠医学アカデミーの報告によると、「アルコール摂取後は、ノンレム睡眠の深さが減少し、REM睡眠の割合も低下する」ことが複数の研究で確認されています(ref)。

また、利尿作用による夜間頻尿や、気道の弛緩によるいびき・無呼吸のリスクも増加します。

私も以前は「寝酒を飲むとすぐ眠れる」と思っていましたが、睡眠の質が明らかに悪化していたことに気づき、現在は夕食までの飲酒にとどめるようにしています。酔いが冷めた状態で布団に入ると、翌朝の目覚めも全く違います。

おわりに

運動や食事といった日常習慣の見直しは、
眠りの質を根本から変える大きな一歩になります。

特別なグッズや高額なサプリに頼らず、
自分のライフスタイルそのものを整えていく。
その積み重ねが、若々しく健やかな未来をつくると信じています。

次回は「ルーティンと睡眠の質の関係」について、深掘りしていく予定です。ぜひお楽しみに!

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