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肌タイプを知らないスキンケアは“効果なし”?|まずは正しいスタートラインへ

「なんとなくスキンケアを始めてみたけど、いまいち効果を感じられない…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実はその原因、「自分の肌タイプを正しく知らないこと」にあるかもしれません。
肌は人それぞれ。必要なケアも人それぞれ
乾燥しやすい肌。
刺激に敏感な肌。
シミができやすい肌。
シワが目立ちやすい肌。
──肌の特性は人によってまったく違います。
当然、必要なケアや製品の選び方も変わってきます。
それなのに、多くのミドル男性が
「なんとなく良さそうだから」
「人気らしいから」
といった理由だけで、自分に合うかどうかも分からない製品を使っているのが現状です。
私も”なんとなく”で選んで失敗してきた
実は私も同じでした。
店頭で目についたものや、ネットで評判の良い製品を試しては、「なんだか効果がよくわからない…」を繰り返していました。
そこで、「本当に自分に合ったものはどう選べばいいのか?」を知るために、ネットや書籍、論文を調べ尽くしました。
その結論はシンプル──肌質に合っていない製品では、効果は出にくいということ。
まずは”肌タイプ分類”を知る
本記事では、スキンケアの「正しいスタートライン」となる肌タイプ分類の基本をわかりやすく解説します。
- 脂性肌/乾燥肌
- 敏感肌/抵抗力のある肌
- 色素沈着しやすい肌/しにくい肌
- シワができやすい肌/ハリのある肌
これら4つの軸で自分の肌の傾向を整理していくことで、今後紹介する診断チャートもスムーズに活用できるようになります。
スキンケアは“肌を知ること”から
自己流ケアの失敗を防ぎ、最短で結果を出すための第一歩は、肌を知ること。
今日から、自分の肌としっかり向き合ってみませんか?
肌タイプ分類とは?

スキンケアにおいてもっとも大切なのは、「自分の肌を正しく知ること」です。
その第一歩となるのが、肌タイプ分類の理解です。
肌質を診断する方法はいくつもある
世の中には肌質を診断する方法が数多く存在します。ここでは代表的な分類・診断方法をご紹介します。
1.VISIA(ビジア)
美容クリニック等で使用される肌診断機器です。
最新の画像解析技術で「シミ・毛穴・しわ・肌年齢・隠れジミ」など、肌の状態を客観的かつ多角的に評価できます。
金銭的・時間的な余裕がある方にとっては、非常に信頼できる方法といえるでしょう。
2.フィッツパトリック分類
もともとは紫外線に対する皮膚の反応を基に、肌の色や日焼けのされやすさを6つのタイプに分けたものです。
・日焼けしやすいか/しにくいか
・色素沈着しやすいか/しにくいか
など、光老化リスクや美容医療の安全性を判断するうえで、世界中の皮膚科で使われている基礎的な分類法です。
3.アメリカ皮膚学会(AAD)の肌質分類
AADでは、肌質を以下の5つに分類しています。
- 普通肌:水分と皮脂のバランスが良く、トラブルが少ない。
- 乾燥肌:水分や皮脂が不足し、かさつきやツッパリ感が出やすい。
- 脂性肌:皮脂分泌が多く、テカリや毛穴の開き、ニキビが出やすい。
- 混合肌:部位によって脂性と乾燥が混在する。
- 敏感肌:刺激に反応しやすく、赤みやかゆみ、ヒリつきが出やすい。
この分類は非常にシンプルで、自宅で自己判断しやすいのが特徴です。
4.バウマン式肌タイプ分類(Baumann Skin Type Solution)
世界的に有名な皮膚科医、レスリー・バウマン博士によって提唱された科学的な分類法です。
4つの軸(後述)を組み合わせることで、肌タイプを16パターンに細分化。
従来の「乾燥肌/脂性肌」といった単純な分類よりも、スキンケアの選び方やエイジングケア対策が格段にしやすくなるのが特徴です。
韓国や日本でも美容皮膚科や高機能スキンケアブランドを中心に、近年広く採用され始めています。
AADとバウマン式の比較表
項目 | AAD(アメリカ皮膚科学会) | バウマン式 |
---|---|---|
分類数 | 5タイプ(普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌) | 16タイプ(4軸×2タイプ) |
評価軸 | 水分・皮脂バランス、刺激への反応など | 水分/皮脂・感受性・色素沈着しやすさ・しわの出やすさ |
特徴 | シンプルで自己診断が容易 | 科学的かつ詳細な分析でケア選びに直結 |
向いている人 | 初心者、簡単に肌質を把握したい人 | 本格的にケアを最適化したい人 |
活用例 | 基本的な製品選びの目安 | 個別最適化されたスキンケア・エイジングケア戦略 |
このブログでは、バウマン式をベースにしつつ、
日本人の肌質や生活環境にも配慮しながら、より現実的かつ実践的な分類法として解説していきます。
次章からは、いよいよ
- 脂性肌/乾燥肌
- 敏感肌/抵抗力のある肌
- 色素沈着しやすい肌/しにくい肌
- シワができやすい肌/ハリのある肌
という4つの軸に沿って、詳しく見ていきましょう。
4軸でみる肌タイプ分類の詳細|スキンケア選びの地図を手に入れる

スキンケアにおいて「何を選ぶか」は、自分の肌タイプを理解してこそ初めて意味を持ちます。
その判断基準となるのが、バウマン式に代表される4つの評価軸です
【4つの評価軸】
- 脂性肌(Oily)/乾燥肌(Dry)
- 敏感肌(Sensitive)/抵抗力のある肌(Resistant)
- 色素沈着しやすい肌(Pigmented)/しにくい肌(Non-Pigmented)
- シワができやすい肌(Wrinkle-Prone)/ハリのある肌(Tight)
この4つの軸をかけ合わせることで、肌タイプは16通りに分類されます。
それぞれの傾向を知ることで、以下のような判断がしやすくなります。
- 自分に合う洗顔料・保湿剤・日焼け止めは?
- 避けた方がいい成分は?
- シミ・シワ対策はどこに重点を置くべきか?
まさに「スキンケア選びの地図」を手に入れるイメージです。
次章では、この4軸のうち前半の2つ──
「脂性肌と乾燥肌」「敏感肌と抵抗力のある肌」について詳しく解説していきます。
脂性肌と乾燥肌の違いとは?肌の「潤いバランス」を見極める

「脂っぽくテカる」「つっぱってカサつく」──
肌の状態が日によって違ったり、どのスキンケア製品を選べばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
まず押さえておきたいのは、乾燥・脂性の違いは「皮脂」と「バリア機能」の働きによって決まるということです。この2つのバランスを理解することで、スキンケアの選び方もぐっとシンプルになります。
皮脂の役割は「潤い」と「保護」
皮脂は、肌の表面に分泌される天然のオイルで、スクアレン・トリグリセリド・ワックスエステルなどで構成されています。肌の表面に薄い膜をつくり、水分の蒸発を防いでうるおいをキープしながら、外部刺激から肌を守る役割を果たしています。
つまり、皮脂は「肌の保湿」と「バリア機能のサポート」を担う重要な成分なのです。
とはいえ、皮脂が多すぎると毛穴詰まりやテカリ、ニキビの原因になりますし、少なすぎても乾燥や敏感肌の原因になります。「皮脂と水分のバランス」が整っていることが、健康で安定した肌の条件です。
乾燥と脂っぽさの本質|「皮脂とバリア機能」が鍵になる
肌の乾燥・脂性は、単純に「水分が足りない/油分が多い」という問題ではなく、皮膚のバリア構造と皮脂分泌の状態に左右されます。
肌のバリア機能はよく「レンガとモルタルの壁」に例えられます。角層の細胞(レンガ)を、セラミドや脂肪酸(モルタル)が密に埋めて支えていることで、水分を閉じ込め、有害物質の侵入を防いでいます。

しかし──
- 外的刺激(洗顔料、乾燥、紫外線、塩素など)
- 加齢やホルモン変化
- 栄養不足やストレス
といった要因でこのバリアが崩れると、水分が逃げやすくなり、乾燥や敏感肌を引き起こします。
また、皮脂の分泌も年齢とともに変化し、若い頃は脂性だった人も、40代以降は乾燥肌に傾くことが多くあります。
このように、乾燥と脂性の違いは「皮脂の量」だけではなく、「皮脂+バリア機能の働き」から総合的に判断する必要があるのです。
乾燥肌:水分も油分も足りない肌
乾燥肌の特徴は、
- 洗顔後に強くつっぱる
- 粉をふく、ザラつく
- 細かいシワが目立つ
- 赤みやかゆみを伴う
などがあり、バリア機能の低下と皮脂・水分の不足が主な原因です。
スキンケアは、低刺激の洗顔料と、セラミド・アミノ酸・ヒアルロン酸などが配合された保湿力の高い乳液やクリームを中心に行いましょう。スクラブやアルコール入り化粧品は避け、熱いシャワーもNGです。
脂性肌:皮脂が過剰でテカリやすい肌
脂性肌の特徴は、
- 顔全体がテカる
- 毛穴が目立つ
- ニキビ・吹き出物ができやすい
- 朝の洗顔後もすぐベタつく
などがあり、皮脂の分泌が過剰であることが原因です。
スキンケアでは、酵素洗顔や洗浄力のある洗顔料を使って皮脂をしっかり落とし、オイルフリーのジェルや美容液で水分を補うのが基本です。
朝晩2回までの洗顔を守り、ビタミンCやA(レチノール)配合の製品で皮脂バランスを整えるのも効果的です。
混合肌:部位によって異なる肌タイプ
混合肌の特徴は、Tゾーンはテカるのに、頬はカサつくといったように、顔の部位ごとに異なる傾向があるタイプです。
製品を部位別に使い分けるのが理想ですが、現実的には、皮脂と水分のバランスがとれた保湿剤(乳液・ジェル)を選ぶのがベター。
頬の感触を基準に製品選びをすると失敗しにくいという意見もあります。
✔ ポイントまとめ
肌タイプ | 特徴 | ケアのポイント |
---|---|---|
乾燥肌 | カサつき、つっぱり、小ジワ | セラミド・高保湿クリーム、刺激を避ける |
脂性肌 | テカリ、毛穴、ニキビ | 酵素洗顔+オイルフリー保湿、ビタミンC |
混合肌 | Tゾーン脂っぽい/頬は乾燥 | バランス型の乳液、部分ケアも検討 |
この章では、肌のうるおいを守る「皮脂」と、外敵から守る「バリア機能」という2つのキーファクターを通じて、乾燥肌・脂性肌・混合肌の違いとケアのポイントを解説しました。
次の章では、「刺激に対する感受性の違い」をテーマに、敏感肌と抵抗力のある肌について解説します。
敏感肌と抵抗力のある肌|刺激にどう反応するかがスキンケアの分かれ道

スキンケア製品を使って「赤くなった」「ヒリヒリした」──そんな経験はありませんか?
それは、あなたの肌が「敏感肌」である可能性を示しています。
一方で、多少刺激のある製品を使っても、肌トラブルを起こさないという「抵抗力のある肌」タイプも存在します。
肌が外的刺激にどれくらい敏感か・強いかは、製品の選び方に直結します。ここでは、肌の刺激に対する感受性を軸に、2つのタイプを詳しく解説します。
敏感肌とは?──実は医学的定義がない
意外かもしれませんが、「敏感肌」は皮膚科学上の明確な定義がありません。
一般的には、以下のような自覚症状のいずれか、または複数がある状態を指します。
- ヒリヒリ感や灼熱感
- 赤み、かゆみ
- 肌のつっぱり、乾燥
- 化粧品がしみる
敏感肌の原因には、皮膚バリア機能の低下、炎症反応の過剰、アレルギー体質、ホルモンバランスやストレスなど、さまざまな要素が関係しています。
実際、日本人の40%以上が「自分は敏感肌だ」と感じているという調査結果もあるほど。
敏感肌には4つのタイプがある
敏感肌と一口にいっても、症状や原因により以下の4タイプに分類されます。
タイプ | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
ニキビ | 毛穴詰まりや皮脂の過剰で炎症が起きやすい | 毛穴ケアと皮脂コントロールが鍵 |
酒さ | 顔の赤み・火照り・毛細血管拡張が慢性化 | 皮膚科受診推奨、ピロリ菌関連の可能性も |
ヒリヒリ | 使用直後にヒリつきや灼熱感を感じる | 香料・AHA・アルコールなど刺激を避ける |
アレルギー | 成分に対して赤み・かゆみ・湿疹が出る | 成分選びに慎重を、パッチテストを推奨 |
これらの共通項は「炎症がベースにあること」。つまり、敏感肌のケアの基本は“炎症を抑え、刺激を減らすこと”なのです。
敏感肌のスキンケアの基本
敏感肌には以下のような注意が必要です:
- 成分が少なく、刺激の少ない製品を選ぶ(香料・アルコール・界面活性剤フリーなど)
- **鉱物由来の紫外線散乱剤(亜鉛・チタン)**を使った日焼け止めを選ぶ
- スクラブやピーリング、ディープクレンジングなどは避ける
- セラミドやワセリンなど、バリア機能をサポートする保湿剤を取り入れる
また、乾燥肌と敏感肌はセットで現れることも多いため、保湿ケアが最優先です。
抵抗力のある肌とは?──スキンケアの自由度が高いタイプ
抵抗力のある肌は、以下の特徴があります。
- トラブルが起きにくい
- 新しい製品を使っても反応しづらい
- 洗顔料・日焼け止めなど幅広く選べる
これは、皮膚バリアがしっかりしており、アレルゲンや刺激物の侵入を防げている状態といえます。
ただし注意したいのは、抵抗力があるからといって、すべての製品が効果を発揮するとは限らないということ。肌に成分が浸透しにくい傾向もあるため、効果を実感するまでに時間がかかることもあります。
✔ ポイントまとめ
肌タイプ | 特徴 | ケアのポイント |
---|---|---|
敏感肌 | 赤み・かゆみ・ヒリヒリ感などに反応しやすい | 成分のシンプルさと刺激回避、バリア回復を重視 |
抵抗力のある肌 | トラブルが少なく、製品に反応しにくい | 幅広く選べるが、浸透率や効果の実感は個人差あり |
敏感肌の人はまず「刺激の回避」と「バリア修復」を最優先に。
抵抗力のある肌の人は「攻めのスキンケア」も視野に。
自分の肌の“刺激感受性”を理解することは、スキンケア選びの最重要ポイントのひとつです。
次回は、「色素沈着のしやすさ」と「シワの出やすさ」という2つの軸について解説します。
参考文献